考案のきっかけは・・・
我が子が当時(平成26年)小学5年生のときの朝、ランドセルに手荷物を玄関先でぎゅうぎゅうに押し込んでいる姿を見て笑った。
私は息子に声を掛けました。何しているの?ランドセルが壊れちゃうから手で持って行きなよ
息子はこのように答えました。
嫌だ!手で持って歩きたくない。息子の気持ちが私にはすごく伝わってきました。それは私自身も通った道のりだからです。家から学校まで片道2キロあり子供のころは本当に遠く思えました。
だから物凄く理解できました。
じゃあ、荷物をランドセルの横にぶら下げなよと話すと
息子はこのように答えました。
学校でランドセルの横に付けるのは禁止とされていると・・・私はかなり厳しくなったんだなあと思いました。
その日はそのまま私は仕事に出かけました。職場まで車で朝の時間なら1時間くらいの通勤距離です。車を走らせ赤信号で停車すると横断歩道を渡る小学生に列を見かけました。班長さんが黄色い旗を持ち班員を反対側に渡りきるまで見守っている姿を見てこのように成長していくんだな!と思ったと同時に子供たちのスタイルにくぎ付けとなりました。
この危険な感じは 何だ?・・・
ふと、玄関で息子との会話を思い出しました。学校で禁止されているランドセル側面に荷物を付けてはいけないということを!
5~6人の子供たちのランドセル側面に(だら~ん)と伸びたきんちゃく袋が付いています。危険な感じがしました。危ない!!
危ないと私が思った理由
- バイクや自転車が横を通り過ぎたとき引っ掛かり引きずられてしまうのでは?
- 自分の足に引っ掛けて転ぶのでは?
- 友達にあたって喧嘩になってしまうのでは?
- ふざけていて引っ張られて転んでケガをしてしまうのでは?
- 雨の日には濡れてしまうのでは?
以上のことを考えていたとき・・・???
ランドセルにバックがつけられればいいんだと!このご時世そのようなものが売っているでしょうと思いネットで検索しましたが・・えっ?無い!何で??
一句 無いのなら・・作ってしまえ・・お父さん! 何てね! ごめんなさい。
ここで自分の中でメラメラと作る意力が出てきました。(よし!作るぞ!)
ランドセルサイドポーチteburan(てぶラン)が出来るまで
まず、厚紙でランドセルに取り付けるバックの形を作りました。その後、ミシンで縫って実際の形を確認。ミシンは小学校以来使っていなかった。取り敢えず出来た!ガタガタになってしまった。恥ずかし~い!
その恥ずかしい試作を持って縫製会社へ試作依頼
ここで何件も断られました。 あ~!辛かった。
あきらめず来る日も来る日もネットで検索しては電話をして断られの日々
しかし、ある日 1つからサンプル作成します。相談に応じます。の文字 すぐさま電話をしました。
あの~ネットを見て電話をしました。サンプル1つでも作ってくれますか?
いいですよ! やっと見つかった! 訪問日を決めてその日 縫製会社へ行くと
1人で縫製会社を営んでいる社長さんでした。優しそうな方で、私の作りたい意思を伝えました。
すると社長はわかりました。やりましょう!と言ってくれて試作のバックにアドバイスをくれました。
数日がたち社長から連絡・・・バックできましたよ! 連絡がきた夕方(仕事が終わった後)取りに行きました。
縫製会社に着き社長から商品になった現物を手渡され職人が作ったのと自分が作ったものとでは全く違うものでした。(笑)
次のステージは特許の取得
ネットで検索してこんなフレーズが!
あなたの考えたその商品他人に真似されたくないですよね?守りたくありませんか?
これは!と思い特許事務所の無料相談会があったので相談にいきました。商品として販売することはどの商品でもできます。しかしあなたが考えたもので現時点で、世に出回っていない商品であれば特許の取得をお勧めいたします。しかし今の状態であれば新規性が感じられないので・・・
おうっ!またまた、めらめらと火がつきました。よし!特許を取得してやるぞ!!
ランドセルとバックをつっくける部材が必要でした。ホームセンターで材料を買い求め毎日毎日プラスチックの板を温めては曲げて形にしてはランドセルに取り付けてを繰り返していました。もういい加減あきらめかけたときランドセルとバックをつなげられるものが・・・
出来ました!。
大きなクリップみたいものでそこの面ファスナー(マジックテープ)を付けてバックにも面ファスナーを付けて合わせるといった商品です。これでランドセルから外れる心配はありません。
これをもって 特許事務所へ・・
特許事務所の弁理士さんは 商品を見るなり三ツ木さんこれなら取付方法で新規性が感じられます。特許の申請しましょうと言ってくれました。
あ~良かった(泣)
次
ランドセルとバックを接続する
ようやくクリップ=取付フックが完成したところでまたもや大きな壁に立ちふさがれました。
取付フックを作る金型作成!です。
プラスチックの商品を作成するには金属で枠を作りそこにプラスチックを溶かした材料を流し形にする射出成型という手法です。この金型がすごく高い!しかも1回失敗したら大損!だから慎重になります。すぐにお願いしますなどと決して言えません。
来る日も来る日も日本全国の射出成型のプロを探しました。探して連絡して金型作成費を聞いたら
ビックリ!!300万円?500万円?と言われ そんなの失敗したらと考えるとお願いしますと言えません
探すのをあきらめかけたとき1件の会社が!目に留まりました。新品のYシャツなどに取り付けてあるクリップ等を製作している会社でした。その会社にすぐメールしました。メールで助けてください。と入れて内容を書きました。送信した5分後
当社は金型とPP素材の特性を理解しているため御社の商品を作成するにあたり大きく力になれると思いますのでご連絡くださいと返信がありました。また、金型製作代も教えてくれ、これまたビックリ!安い!
すぐさま電話をしまして打合せのアポどり 良かった。本当に良かった。
当日これまた感じの良い社長さんで1代で大きく会社を成長させた方でした。試作品を見てもらい大丈夫です出来ますよと言ってくれました。我が商品のためにランドセルを売っているお店へ出向きサイズ等を図ってくれたりして適正なサイズを打ち出してくれました。ありがとうございます。本当に感謝しております。
そして商品が出来ました。 てぶランフックと呼びます。ランドセルとバックをつなげる部材です
特許登録
2015年3月teburan(てぶラン)が特許に登録され登録証が特許庁から届きました。日本初!ランドセルサイドポーチteburanとなりました。(泣)自分の両親も心から喜んでくれました。皆さんありがとうございます。
販売開始
AmazonとYahoo!ショッピングにて販売開始
2015年3月(平成27年3月)より商品名【てぶランフック】で発売開始
当初は全くの無名から買ってくれる人は誰一人としていませんでした。来る日も来る日も購入者は現れずAmazonには倉庫保管料がかかるし大変でした。特許商品だから売れるそんなことはありません。実感しました。
NHKおはよう日本まちかど情報室に紹介される
2015年10月(平成27年10月)teburan(てぶラン)がNHKおはよう日本まちかど情報室で紹介された直後電話が殺到!Amazonでも品切れ Yahoo!ショッピングでも品切れ物凄い売れ行きでした。縫製会社の生産も間に合わず当時のご購入者の方々には大変ご迷惑をお掛け致しまして申し訳ございませんでした。
販売直後から次の構想が芽生える
付けたいのに付けられない
販売直後にこんな連絡がありました。teburan(てぶラン)を購入させていただきました。手ぶらで安全に登下校ができる商品を開発していただきありがとうございます。購入後に気づいたのですがうちの子のランドセルにはteburan(てぶラン)は非対応とのことがわかりました。取付は出来るがしっかり固定することが出来ないタイプのランドセルであったことに改めて気づきまた。購入前から取り付けが出来るものとできないものがあることは理解していましたが大丈夫だろうと思い購入してしましました。とても生地もしっかりしていて良い商品ですが使えないことに残念です。上履き入れとして使っていきます。今後は全ランドセルに取り付け出来るものを考案してください。宜しくお願いいします。
取り付けたいのに取り付けられない子供がいることにスイッチがまた、入りました!だったら全ランドセルに付けられる物を作ってやる~ぞ!
横がだめなら後ろ?上?下?この3ヶ所しかない
てぶランでは固定方法が限られてしまうので違うところにバックをつけよう!
私の構想の順はこのうようになりました。
- 第1候補 後ろ(ランドセルかぶせ部分に付ける)
- 第2候補 上 (ランドセルの上に載せる)
- 第3候補 下 (ランドセルの下に付ける)
実施計画結果
- 第1候補 後ろ=重たい荷物を付けると重心が崩れ子供が倒れる心配があった。✖ ダメか!
- 第2候補 上 =子供はバックに何を入れるかわからない(ハサミ、鉛筆、鋭利なものなど)転んだ時に頭や首に刺さってしまう危険がある ✖ ダメか!
- 第3候補 下 =見た目が悪い気がした。どのようにランドセルとバックを付けるかも重要であった。しかしここに付けるしかなかった。 これしかない!~え?どうしよう??
どうしよう??
てぶランフックがあるじゃないか!
色々とランドセルの下にバックを取り付ける方法を探していましたが、中々見つかりませんでした。あきらめかけたその時ランドセル側面に付けられたteburan(てぶラン)を見て・・・ん?ん・・・??これだ!
そうだ!うちにはteburan(てぶラン)フックがあるじゃないか!天からのひらめき?それともお告げ?でも嬉しかったです。有難うございます
あきらめるな!お前は、手ぶら通学をさせるためにここまでやってきたんだろ?あきらめるな!全国の困っている小学生を助けるために立ち上がったんだろ?そんな風に誰かが震え立たせてくれているそんな気持ちになりました。よし!頑張ろう!
てぶランフックを加工して試作を作り、てぶランフックを作ってもらった会社へ行き社長にこの試作品の金型を作ってほしいとお願いしました。
真下の取り付けるバックのネーミング
そうだ!名前だな!ランドセルの下に取り付けるから・ランドセルアンダーバック ・走っても取れないバックを組み合わせてRanba(ランバ)に決定!
てぶランを製作してくれた縫製会社の社長に頼みたいが今、忙しいと言われてしまったのでどうしよう?仕方がない また、探す旅でもするか?
今度は地元越谷で探してみよう!商工会議所を通じて何件か紹介してもらったが、断られてしまった。てぶランの時もこのような感じであった。でも探すしかない!ふとネットで見つけた1件 電話をしてみると感じの良い社長さんで1度お話を聞きましょうと言ってくれました。
まだ、試作バックは私の頭の中だけなのでどうしよう?感じはウエストポーチなんだよな?とのことでホームセンターへ行きウエストポーチを購入そして、試作品のフックにアクリルテープを縫いその反対側にバックルの凹部を縫い合わせてその部材を2個作りました。
よし!出来たぞ!いざ!出陣!
打合せ当日
新規縫製会社へ打合せに行くと4人の方がいました。個人経営ですが大手ブランドバックを製作していると社長さんが教えてくれました。ブランド名を聞いてビックリです!そんな大手と付き合いのあるところが、うち見たいな作成個数が少ないところと付き合いをしてくれるなんて思っていませんでしたが引き受けてくれました。ラッキーでした。とりあえずデザインを伝えてサンプル品を何点か作成していただきましてた。こうして初代のRanba(ランバ)が出来販売開始となりました。(2018年2月)
新聞、テレビ、ラジオ等で紹介される
まだまだ、続く・・・